習い事は子どもの成長にとって大きなプラスになりますが、やり方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。子どもにとって習い事が「楽しい学びの場」であり続けるためには、保護者がいくつかの重要なポイントを意識する必要があります。
ここでは、子どもに習い事をさせる際に注意すべきポイントを、具体的に解説していきます。
子どもの気持ちを尊重する
習い事を始めるにあたって、最も大切なのは子どもの「やりたい!」という気持ちです。親の希望だけで無理やり通わせても、子どもは長続きしませんし、学びへの意欲も育ちません。
子どもの本音を引き出すために
- 体験レッスンに参加してみる
- 「どうだった?」と感想を聞く
- 無理に褒めすぎず、子どもの反応をよく観察する
もし子どもが「やりたくない」と言った場合は、その理由をしっかり聞き、他の選択肢を一緒に探す姿勢も大切です。
無理のないスケジュールを組む
小さな子どもにとっては、学校や保育園での生活だけでも十分にエネルギーを使います。そのうえで複数の習い事を詰め込みすぎてしまうと、疲れやストレスが溜まりやすくなり、結果的に習い事が嫌いになることも。
おすすめの頻度
- 幼児(3〜6歳):週1〜2回までがベスト
- 小学生:週2〜3回を目安に、体力・学校との両立を考慮
また、帰宅後や週末に自由な遊びの時間を確保することも大切です。自由な時間があることで、子どもは習い事で得た知識を自然と消化し、発展させることができます。
習い事の「質」に注目する
習い事を選ぶ際、料金や通いやすさだけでなく、講師の質・カリキュラムの内容・子どもとの相性にも注目しましょう。
見極めポイント
口コミだけで判断せず、必ず体験入学や見学をしてから決めることが後悔しないためのポイントです。
習い事の「目的」を明確にする
習い事を選ぶときには、まず「なぜこの習い事をさせたいのか?」という目的や目標を明確にすることが大切です。
- 体力づくりや健康維持(→水泳・体操)
- 集中力や学習習慣をつけたい(→そろばん・学習塾)
- 自己表現力を伸ばしたい(→ダンス・演劇)
- 小学校受験の準備(→幼児教室)
目的がはっきりしていれば、途中で「この習い事は合っているのか?」と見直す基準にもなります。
習い事と家庭とのバランスを取る
習い事で得られる学びや経験は貴重ですが、家庭での関わりや過ごし方があってこそ、それらが生きてきます。
習い事に頼りすぎず、家庭でも「できたね!」「頑張ってるね」と承認してあげる時間をつくることで、子どものやる気や自己肯定感はさらに高まります。
また、習い事のことを家族で話し合う機会を設けることで、親子のコミュニケーションもより深まります。
習い事を「やめどき」にも注意
やる気が見られなくなったり、明らかに負担になっていると感じた場合は、「やめる」という選択も視野に入れましょう。
- 通う前に毎回嫌がる
- 習い事の話題を避けたがる
- 体調不良が続く
- 講師や友達との人間関係で悩んでいる
「一度始めたら続けなければいけない」と思いがちですが、子どもにとって最も大切なのは、「好きなことを続けられる環境」です。習い事はあくまで通過点。柔軟に考える姿勢が必要です。
習い事にかかる費用と家計のバランス
最近では、1つの習い事でも月謝が1万円を超えることも多く、さらに複数通うと家計への負担が大きくなります。無理をしてしまうと、家庭全体のストレスになってしまうため、家計とのバランスも重要です。
- 月謝
- 入会金・教材費
- 発表会・大会の参加費
- 交通費や付き添い時間
予算の上限を事前に決めておくと、習い事選びの判断材料にもなります。
習い事で育つ力を信じよう
習い事は、子どもの未来にとって確かな土台になります。ただし、その成長はすぐに見えるわけではありません。数ヶ月、数年と続ける中で、「続けてきてよかった」と思える成果が見えてきます。
親として大切なのは、「できた・できない」ではなく、「努力した過程」や「少しずつの変化」に目を向けることです。そうすることで、子どもも自分の成長を実感できるようになり、自信へとつながっていきます。