風邪(急性上気道炎)について

 ここでは、お子様が発症しやすい風邪(急性上気道炎)について詳しく見ていきましょう。



風邪(急性上気道炎)の初期症状は?

 風邪(急性上気道炎)は、ウイルスや細菌が鼻や喉の粘膜に感染し、炎症を起こす病気です。特に子供は免疫が未発達なため、風邪をひきやすく、症状が長引くこともあります。風邪の初期症状には以下のようなものがあります。


初期症状の特徴

  • くしゃみ:ウイルスが鼻や喉に感染すると、体が異物を排除しようとするためにくしゃみが出ます。
  • 鼻水・鼻詰まり:透明な鼻水が出始め、その後粘り気のある鼻水に変わることがあります。
  • 喉の痛み・違和感:ウイルスや細菌が喉の粘膜に炎症を引き起こすため、喉が痛くなったり、イガイガすることがあります。
  • 軽い咳:喉の炎症が広がると、咳が出ることがあります。
  • 発熱:軽度(37〜38℃程度)の発熱を伴うことが一般的ですが、ウイルスの種類によっては高熱(39℃以上)が出ることもあります。
  • 倦怠感:風邪にかかると体がウイルスと戦うため、倦怠感や疲労感を感じることがあります。
  • 食欲不振:喉の痛みや発熱により、食欲が低下することがあります。

これらの初期症状は、通常、感染してから1〜3日以内に現れます。症状が進行すると、咳が悪化したり、痰が絡むようになったりすることがあります。



風邪(急性上気道炎)になったらどれくらいで治る?

風邪の回復期間は、ウイルスの種類や個人の免疫力によって異なりますが、一般的な経過は以下の通りです。

風邪の経過

  1. 発症(1〜3日目):初期症状(くしゃみ、鼻水、喉の痛み)が現れる。
  2. ピーク(3〜5日目):発熱や咳が最も強くなる時期。
  3. 回復期(5〜7日目):症状が徐々に落ち着き、倦怠感や咳だけが残る。
  4. 完治(7〜10日目):ほとんどの症状がなくなる。

一般的な風邪なら 約1週間程度で回復 しますが、以下の場合は長引く可能性があります。

  • 乳幼児や免疫力の低い子供の場合。
  • 別の細菌感染(中耳炎、副鼻腔炎など)を併発した場合。
  • アレルギー性鼻炎や喘息などの持病がある場合。

また、咳だけが2〜3週間続くことがありますが、長引く場合は医師に相談しましょう。




風邪(急性上気道炎)になった場合の処置方法は?

風邪の治療は基本的に対症療法となります。以下の方法で子供の症状を和らげることができます。


自宅でできるケア

  1. 水分補給:発熱や鼻水で脱水症状になりやすいため、こまめに水やお茶、スープなどを与える。
  2. 十分な休息:体力を回復するために、無理に動かさず安静にさせる。
  3. 部屋の湿度調整:加湿器を使って湿度を50〜60%に保ち、喉や鼻の乾燥を防ぐ。
  4. 鼻水の処理:鼻づまりがひどい場合は、鼻吸い器を使うか、蒸しタオルで鼻周りを温める。
  5. 食事の工夫:消化の良い食事(おかゆ、スープ、ゼリーなど)を与える。


市販薬の使用

  • 解熱剤(アセトアミノフェン):38.5℃以上の発熱がある場合に使用。
  • 咳止め・去痰薬:咳がひどく眠れない場合に使用(医師の指導が望ましい)。
  • 鼻炎薬:鼻水・鼻詰まりがひどい場合に使用(小児用を選ぶ)。

ただし 抗生物質はウイルスには効果がない ため、医師が処方しない限り使用しません。




風邪(急性上気道炎)になったらどの病院に受診すればいい?

通常の風邪であれば 小児科 を受診します。

受診の目安

  • 38.5℃以上の高熱が3日以上続く。
  • ぐったりしていて反応が鈍い。
  • 呼吸が苦しそう(ゼーゼーする)。
  • 咳が長引き、痰が絡む。
  • 耳を痛がる(中耳炎の可能性)。

夜間や休日で受診できない場合は、救急相談センター(#8000)に相談しましょう。



風邪(急性上気道炎)になったら幼稚園・保育園は通わせられる?

基本的には症状が落ち着くまで自宅で休ませるのが望ましい です。


登園の目安

  • 発熱がない(平熱になってから24時間経過)。
  • 咳や鼻水がひどくない。
  • 本人が元気で食事も取れる。

症状が軽くても 集団感染を防ぐために休ませるのが望ましい です。



まとめ

  • 風邪(急性上気道炎)は ウイルスが原因で、初期症状は鼻水・くしゃみ・喉の痛みから始まる
  • 通常1週間程度で回復 するが、症状が長引く場合は医師に相談。
  • 自宅でできるケアとして 水分補給・安静・湿度管理が重要
  • 高熱や重症化の兆候がある場合は小児科を受診 し、適切な治療を受ける。
  • 幼稚園・保育園への登園は 症状が落ち着いてから にする。

風邪は適切なケアをすれば重症化を防ぐことができます。子供の体調管理をしっかり行い、健康を守りましょう!