ここでは、お子様が発症しやすいインフルエンザについて詳しく見ていきましょう。
インフルエンザの初期症状は?
インフルエンザは、毎年冬季を中心に流行するウイルス性感染症で、特に免疫力が未発達な子供たちは感染しやすく、重症化するリスクもあるため注意が必要です。初期症状としては以下のようなものが挙げられます。
- 急な高熱(38℃以上)
- 全身の倦怠感や寒気
- 頭痛や筋肉痛、関節痛
- 喉の痛み、咳、鼻水
- 嘔吐や下痢(乳幼児に多い)
特に普通の風邪とは異なり、インフルエンザは急激に症状が現れ、38〜40℃の高熱が突然出るのが特徴です。風邪と勘違いしやすいものの、全身症状が強く現れるのがポイントです。
また、乳児や幼児では、発熱や咳よりもぐったりする、機嫌が悪い、食欲がないなど、非典型的な症状で始まる場合があります。
インフルエンザになったらどれくらいで治る?
インフルエンザの経過は個人差があるものの、一般的には以下のような流れで推移します。
- 潜伏期間:1〜4日程度
- 発症後:3〜5日間の高熱と全身症状
- 回復期:発熱が下がった後も1週間程度は咳や倦怠感が残ることも
通常、発症から5日以内に熱が下がり始めますが、合併症を伴うと回復が長引くことがあります。特に子供は気管支炎、肺炎、中耳炎、インフルエンザ脳症などの合併症を起こしやすいため、注意深い観察が必要です。
また、保育園や学校の出席停止期間は、法律により「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで」とされています。完全に回復するには10日程度かかることもあります。
インフルエンザになった場合の処置方法は?
インフルエンザの治療には、症状を和らげるための対症療法と、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ薬の使用があります。
対症療法
- 十分な休養と水分補給
- 熱が高い場合は解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使用
- 咳・鼻水の緩和に市販薬や処方薬を併用
抗インフルエンザ薬(医師の判断で使用)
- タミフル(経口)
- リレンザ(吸入)
- イナビル(吸入・1回投与)
- ゾフルーザ(経口・1回投与)
※ウイルス量を抑えるためには、発症から48時間以内の服用が効果的です。
乳幼児では症状の進行が早いため、自己判断ではなく、できるだけ早く小児科を受診しましょう。特に、意識がもうろうとしている、けいれん、呼吸が苦しそう、泣いても涙が出ない(脱水の兆候)などが見られる場合は、すぐに救急対応が必要です。
インフルエンザになったらどの病院に受診すればいい?
インフルエンザが疑われる場合には、まずは小児科を受診するのが一般的です。以下のポイントに留意しましょう。
受診の流れ
- 発熱や咳などの症状が出たら、事前に電話連絡し、発熱外来など専用の対応があるか確認。
- マスク着用で来院、他の患者との接触を避ける。
- 必要に応じてインフルエンザ迅速抗原検査(鼻ぬぐい)を実施。
病院の選び方
- 地域の小児科クリニック
- 小児救急センター(夜間・休日)
- かかりつけ医(過去に受診歴があると安心)
症状が軽い場合でも、0歳〜6歳未満の子供は合併症のリスクが高いため、早期の診断・治療が重要です。
インフルエンザになったら幼稚園・保育園は通わせられる?
インフルエンザは、学校保健安全法に基づく出席停止の対象疾患です。以下のような基準が設けられています。
出席停止期間
- 発症した日を0日として 5日間は登園・登校できない
- 解熱した後、2日が経過していること
例:3月1日夜に発熱 → 3月6日まで登園不可、解熱したのが3月4日なら3月6日から登園可能。
登園再開のポイント
周囲の子供たちや保育士に感染を広げないためにも、回復後も体調をしっかり整えてから登園するよう心がけましょう。
まとめ
子供がかかりやすいインフルエンザは、急激な高熱と全身症状が特徴で、重症化や合併症のリスクもあるため注意が必要です。発症初期の段階で適切な処置を行い、早期に医療機関を受診することで、症状を軽減し、回復を早めることが可能です。
特に幼児は体力や免疫力が低いため、こまめな体調チェックと予防接種が重要です。登園の際も、法令や園のルールを確認し、無理をさせずに対応しましょう。
日常的な感染予防(手洗い・うがい・換気)を徹底することが、家族全体の健康を守る第一歩となります。