どんなに素晴らしい食材を用意しても、子どもが食べてくれなかったり、興味を持ってくれなかったりすると、保護者としては落ち込んでしまうこともありますよね。しかし、食育は“完璧にやること”よりも“続けること”が何より大切です。
ここでは、家庭で食育に取り組む際に気をつけておきたいポイントや、よくある失敗例、そして楽しく続けるためのコツをお伝えします。
食べないことを怒らない
「せっかく作ったのに食べてくれない」と感じると、つい叱ってしまいたくなることもあります。しかし、食事を叱られる体験として覚えてしまうと、「食べること=ストレス」となり、逆効果です。
気持ちに寄り添う声かけの例
- 「今日はあんまりお腹すいてないのかな?」
- 「ちょっと味が苦手だった?どうしたら食べやすいかな?」
- 「ひと口だけ食べてみようか?味見でもいいよ!」
無理強いせず、気持ちを尊重する姿勢が、次回の「食べてみよう」につながります。
「遊び食べ」への対処法
小さな子どもは、食事中にスプーンをおもちゃのように使ったり、ご飯を投げたりすることもあります。これは成長の一環であり、“食”を通して世界を学んでいる証でもあります。
遊び食べの対策ポイント
- あらかじめ食べやすい量を盛る
- 食事時間に集中できる環境を整える(テレビ・おもちゃを遠ざける)
- 「あと3分でおしまいにしようね」など、区切りを伝える
「遊び」も“食との関わり”の一つと受け止め、必要以上に怒らずに対応しましょう。
栄養バランスにこだわりすぎない
栄養バランスは確かに大切ですが、すべての食材を完璧に摂る必要はありません。1日単位ではなく“数日~1週間”の中でバランスが取れていれば十分です。
無理なく栄養を整える工夫
- 野菜スープや味噌汁に細かく刻んだ野菜を入れる
- 卵焼きやおにぎりに野菜やひじきを混ぜ込む
- 市販の冷凍食品やレトルトにも頼ってOK(原材料を選べば安心)
完璧主義にならず、「できることを無理なく」が食育継続のカギです。
大人も「一緒に食べる」姿勢が大切
「子どもにだけ食べさせる」のではなく、保護者自身も楽しんで食事をすることが、最も強力な“食育”になります。子どもは大人の姿をよく見ています。
こんな姿を見せよう
- 「これおいしいね!」と笑顔で食べる
- 苦手な食材にもチャレンジしてみせる
- 食材の話をしながら食べる(「この人参は甘いね!」など)
共に楽しむ食卓は、子どもの心と体、両方の成長を促します。
「食育=義務」にならないことが大事
食育は、義務や負担に感じてしまうと長続きしません。少しずつできることを積み重ねていく「生活の一部」として考えるのが理想です。
こんな工夫で“食育習慣”を作る
- 週に1回は「お手伝いの日」にする
- 食材を買いに行く際、子どもと一緒に選ぶ
- 食卓での話題に、食材の話を少し入れてみる
特別な準備や演出は必要ありません。生活の中のちょっとした工夫こそが、本物の“食育”に繋がります。